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T-Engine記者発表会レポート


去る7月30日(火)、東京・大崎のホテルニューオータニイン東京で「T-Engine記者発表会」が開催された。本誌VOL.76で既報のように、6月24日に結成された「T-Engineフォーラム」の設立趣旨とその活動状況を広く告知するために開催されたもので、T-Engineへの期待の高さを反映してか、当日はテレビ、新聞、雑誌など多くの報道関係者が集まった。本稿では、この発表会の概要をレポートする。
*  *  *
まず挨拶に立った坂村健T-Engineフォーラム会長より、T-Engineプロジェクトの概要の解説と、T-Engineフォーラムの現況について報告があった。
従来、機器組込み用コンピュータのソフトウェアは、1つ1つの個別開発になりがちであり、類似した機能もそれぞれ新たに開発していた。さらに一方、要求される機能は高度化し、開発期間の短縮化も求められているという状況があった。そこで、T-Engineプロジェクトは、この問題を解決するために、“ミドルウェアの流通”“永く使える100年ソフトの実現”をキーワードとし、ハードウェア開発プラットフォームとリアルタイムオペレーティングシステムの規格化を行い、ミドルウェア――オペレーティングシステムと応用ソフトウェアの中間に位置するソフトウェア部品群の流通を促すガイドラインを提供しようとしているとのことである。
この規格化の推進団体となるのが先に設立された「T-Engineフォーラム」である。
T-Engineフォーラムは、結成時、国内海外の企業22社の参加からスタートしたが、わずか発足1ヶ月で37社(7月30日現在)となったとのこと。これはユビキタス・コンピューティングに対する重要性、T-Engineオープン開発プラットフォームによる開発効率改善への期待が大きいことを物語っていると言っていいだろう。参加企業は増え続けており、年内には100社程度まで増加することが期待されているとのことだ。
さらに、坂村会長は、T-Engineフォーラムの役割として、「T-Engineバーチャル・カンパニー構想」を発表した。T-Engineフォーラム参加企業間における部品共通化を推進する方式で、高品質で高度な生産技術を低コストで、しかもリスク分散も実現できる。これからの電子・情報産業にとって重要なコンセプトとなるであろう。
今回のもう1つの大きなトピックは、「T-Engine/SH7727開発キット」の発売開始のニュースである。T-Engineにとって最初のプロダクトであり、日立製作所製SHシリーズマイクロプロセッサを搭載した標準T-Engineボードに、パーソナルメディア製のT-Monitor、T-KernelリアルタイムOS、基本的なミドルウェアおよびデバイスドライバ、GNU開発環境、各種説明書等を加えたものだ(P.33「T-Engine/SH7727開発キット徹底紹介」参照)。「T-Engine/SH7727開発キット」は、パーソナルメディアから発売され、145,000円(税別)という画期的な低価格を実現している。
さらに今後、続々とT-Engine関連製品が登場する予定とのことである。
坂村会長の発表に続いて、T-Engineフォーラムの幹事会社などから、リリースが予定されている各社のハードウェア、T-Kernel仕様のリアルタイムオペレーティングシステム、T-Engine用開発環境、T-Engine用Javaやミドルウェアなどの解説が行われた(本誌VOL.76 P.29「T-Engineフォーラム総会〜Technical Presentationより〜」もご参照ください)。
昨年12月のTRONSHOW2002で発表されたT-Engineは、“構想”の段階から、いよいよ“実現”のフェーズに入り、さらに加速している印象を持った発表会であった。
*  *  *
会場には、デモンストレーションのスペースが設けられた。前述の「T-Engine/SH7727開発キット」をはじめ、実際に稼動しているT-Engineボードから、研究・開発中のものまで、各種のT-Engineを見ることができた。写真とともに概要を紹介する。


●h101 T-Engine
日立製作所
SH7727(SH3-DSP)搭載の標準T-Engine、LCDボード、デバッグボード。

●m301 μT-Engine
三菱電機
M32104(M32R)搭載のμT-Engine。

●n101 T-Engine
日本電気
VR5500-400(MIPS)搭載の標準T-Engine。

●n301M μT-Engine
日本電気
VR4131-200(MIPS)搭載のμT-Engine。

●eTRON電子チケット
YRPユビキタスネットワーキング研究所
T-Engineを用いたeTRONによる電子チケットシステム。eTRONカードおよびT-Engine自身が電子チケットとなる。

●MPEG Decoderミドルウェア
T-Engineフォーラム・日立製作所
T-Engine上でMPEG Decoderミドルウェアによる高画質なMPEG動画を再生。

●指紋認証
YRPユビキタスネットワーキング研究所
T-Engineを用いた携帯端末上で指紋による個人認証を実現。

●SVG Mobileエンジン
KDDI研究所
SVG(Scalable Vector Graphics)形式の グラフィック表示ソフトウェア。

●T-Engine/SH7727開発キット
パーソナルメディア
日立製h101 T-Engineハードウェア、パーソナルメディア製T-Kernel、開発環境を含む開発キット。オプションの専用開発ベンチも展示。

●超漢字 for T-Engine
パーソナルメディア
T-Kernel上で稼動する「超漢字」ミドルウェア群。世界の文字・多漢字に対応し、電子ブックや人名を扱う機器に最適。

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