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ポイント
・T-Engineはユビキタス・コンピューティング環境構築のための、オープンなリアルタイムシステム標準開発環境
・T-EngineはeTRONセキュリティアーキテクチャに対応し、その結果ネットワークセキュリティの強固な応用システムを開発可能
・T-Engineは、ハードウェア、リアルタイムOS、オブジェクトフォーマット仕様を規格化しミドルウェアの流通を円滑にする
・豊富なミドルウェアの利用により、応用システムの開発期間の大幅短縮と開発コスト低減を可能とする
要旨
あらゆるものにコンピュータが入りネットワークでつながれるユビキタス・コンピューティング環境の構築を目指した、 オープンなリアルタイムシステム標準開発環境を提供するため、TRONプロジェクトでは、 T-Engine(ティー・エンジン)プロジェクトを発足させました。 T-Engineは携帯情報機器やネットワーク接続型の家電機器などを効率良く短期間で開発するのに最適な開発環境を提供します。 T-EngineはeTRONと呼ばれるTRONプロジェクトのネットワークセキュリティアーキテクチャに対応し、 セキュリティの完全でないインターネットなどのネットワークを経由しても盗聴、改竄、 なりすましを防御して安全に目的の相手に電子情報を送る機構を備えています。
効率のよい開発をサポートするために、規格化されたハードウェア(T-Engineボード)、 標準リアルタイムOS (T-Kernel)を定め、ミドルウェアを流通させることに特に力を入れています。 また、T-Engineは半導体メーカー、ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー、 システムメーカーの縦方向の連携を円滑にし、相互のビジネスを活発化し、 開発期間や開発コストの低減により付加価値の高い製品を短期間で提供することができます。
T-Engineは高度な半導体技術や実装技術、ソフトウェア技術を採用しており、 他に追随を許さない先進的な応用製品の開発を行うことができます。 すでにハードウェア/ソフトウェア/システムを開発するプレイヤーが参加を表明し、 2002年第二四半期より、マーケットにT-Engineプラットフォームならびに応用システムの具体的な製品の投入を開始いたします。
ユビキタス・コンピューティング環境とT-Engine
TRONプロジェクトは、携帯電話や自動車のエンジン制御をはじめとして、 身の回りの機器に組み込んで利用するリアルタイム・オペレーティングシステムの分野で特に大きな成果をあげ、 事実上この分野で世界No.1の利用実績を持っています。 インターネット接続可能携帯電話をはじめとして、ネットワークに接続される機器は今後急激に増えていきます。 身の回りのあらゆる機器にコンピュータが組み込まれ、それらがネットワークで結ばれる、 ユビキタス・コンピューティング環境は現実に近づきつつあります。
ユビキタス・コンピューティング環境を実現する上で、二つの重要な点があります。 一つは利用面におけるネットワークセキュリティの確保です。 ユビキタス・コンピューティング環境では携帯電話やPDAのような携帯情報機器以外に住宅やビルなどにある様々な機器がネットワークにつながるようになります。 ネットワークを通じて外部から住宅の機器を操作し、 プライバシー情報や電子チケットなどを送付するといような利用が行われます。 このときに他者からの盗聴、改竄、なりすましなどが起こらないネットワークセキュリティの確保が必要です。
もう一つは、製品の開発を効率良く、短期間に行えるようにすることです。 機器組み込み分野ではPCとは異なりCPUの種類を含めハードウェアは多岐にわたり、 それに対応するリアルタイムOSやミドルウェアを個別に開発しなければならないという問題があります。 日毎に高度化する製品機能の要求に対して、開発期間の長期化、開発コスト、 バグがとりきれないなどの問題が大きな障害となってきています。 T-Engineプロジェクトは、これらの問題を解決する共通開発プラットフォームを構築するプロジェクトです。 セキュリティの確保にはネットワーク環境におけるセキュリティ基盤を確立するTRONプロジェクトのもう一つの新しいプロジェクトeTRONのセキュリティアーキテクチャを採用し、 T-Engineのハードウェア、OS、ミドルウェアがこれをサポートします。 T-EngineのハードウェアにはeTRONチップを搭載できるようになっており、 eTRONを利用した機器においては、インターネットなどのオープンネットワークを経由しても安全に情報を伝送できるようになります。
ハードウェア、ソフトウェアの流通、ビジネス基盤としてのT-Engine
製品の開発を効率良く、短期間に行えるようにするために、T-EngineとはT-Engineハードウェア、リアルタイムOS T-Kernel、 デバッグモニタT-Monitorから構成され、さらには開発環境やデバイスドライバやミドルウェアの流通基盤なども含む、 オープンなスーパー標準開発プラットフォームです。 従来のTRONプロジェクトと同様各仕様は公開され、だれでも利用できる他、 T-Engineプロジェクトでは製品化されたものについても、詳細情報の公開、データベースによる管理により、 ハードウェア、ソフトウェアの流通、ビジネスを促進します。
T-Engineプロジェクトの体制
T-Engineプロジェクトはこの二つの特長を表現するTRON Embedded System Solution for Secure Networking (安全なネットワーク通信を可能とする組み込みシステムソリューション)を掲げ開発を進行して参ります。 すでに、このプロジェクトの意義に賛同し、T-Engineプラットフォームの採用の検討およびT-Engine製品の開発を進めており、 順次受注を開始し2002年第二四半期より具体的なプロダクトを市場に投入を開始いたします。 また、T-Engineプロジェクトは、半導体、ハードウェア、ソフトウェア、システム、 開発環境関連の各企業にビジネスのチャンスを開放しています。 より多くの企業の参画を期待し、産業、経済の活性化に役立つことを祈念しています。
T-Engineのシリーズ
T-Engineはユビキタス・コンピューティング環境を構成する要素の各レンジ向けに4種類のシリーズを用意します。
1. 標準T-Engine(標準ティ・エンジン)
携帯情報機器向けの比較的高度なユーザーインタフェースを持つ機器のためのプラットフォーム
2. μT-Engine(マイクロ・ティ・エンジン)
家電機器や計装機器など比較的ユーザーインタフェースの少ない機器のためのプラットフォーム
3. nT-Engine(ナノ・ティ・エンジン) 小型家電機器等に適用するための、コイン大の実行プラットフォーム
4. pT-Engine(ピコ・ティ・エンジン)
照明器具、スイッチ、センサー、錠、バルブなど、ユビキタス・コンピューティング環境の最小単位に適用する機器のための実行プラットフォーム
T-Engineのハードウェア
標準T-Engineのハードウェアは、75mm×120mmのCPUボードを中心として、LCDボード、電源ボード、 拡張ボードなどを組み合わせて、ターゲットシステムのハードウェアを構成できるようになっています。 μT-EngineのCPUボードではさらに小さく60mm×85mmとなっています。 CPUボードの機械的寸法ならびに外部接続コネクタが規格化されています。概略仕様は別表の通りです。 CPUの種類は各種のものが適用可能で、特定のものに限定をしていません。 T-Engineハードウェアの特長は、ボード形状を小形化し、ターゲットシステムのイメージに近いものを構成できるという点です。
T-Engineのソフトウェア
T-Monitor(ティ・モニタ)
OSの起動やデバッグを行うためのモニタソフトウェアです。仕様が定義され、開発環境とのインタフェースを取ります。
T-Kernel(ティ・カーネル)
T-Engine用のリアルタイム・オペレーティングシステムです。
デバイスドライバ
各応用に併せて新しいデバイスや専用デバイスのドライバを容易に開発できるように、 典型的なデバイスドライバをソース公開します。 システムメーカーはそれを参照しながら目的のデバイスドライバを作成することができます。
ミドルウェア
T-Kernel上で動作する、各種ミドルウェアです。各種ネットワーク用のプロトコルスタック、ファイルシステム、 日本語処理、かな漢字変換、eTRON関連のセキュリティソフトウェア、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)、 音声処理、Javaなどさまざまなものが用意され、これらを組み合わせて利用することにより、 短期間で安定した製品開発が可能となります。 ミドルウェアの流通を促進するために、 利用や組み合わせが可能なミドルウェアの情報をT-Engineプロジェクトのデータベースで一括管理し、広く公開いたします。 このシステムにより、T-Engine上のソフトウェアの流通を強力にサポートします。 将来はさらにeTRONを用いたソフトウェア課金システムとも連動させる予定です。
開発環境
T-Engineのソフトウェア開発およびミドルウェアの流通が円滑に行えるよう、 オブジェクトコードのフォーマットをGNUベースで標準化します。
T-Engineのソフトウェア構成
今回の発表では、高度な文字処理能力を持つオペレーティングシステム、Java環境をはじめとする各種ミドルウェア、 高度な開発デバッグ支援機能を持つ開発環境を発表いたします。
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